日本語&広帯域受信機化ファームウェア uv-k5-firmware-rx-jp 用のメモリ編集ソフト 「CHIRP for UV-K5-RX-JP」 を作成した。
UV-K5 シリーズにカスタムファームウェアを導入すると Quansheng 純正のメモリ編集ソフトが使えなくなってしまう。拡張された15〜1300MHzの周波数や受信モード、ステップ、帯域幅、逆トーンスケルチ等の設定ができないのはもちろん、EEPROM内のデータ構造が異なるために純正メモリ編集ソフトを使って書き込むと動作がおかしくなってしまうなどの問題があった。
今回、サードパーティー製のメモリ編集ソフト CHIRP の uv-k5-firmware-rx-jp 専用ドライバーを開発、カスタマイズおよび日本語化(翻訳したものは本家CHIRPにも反映済み)して簡単にメモリ登録/編集できるようにした。メモリデータをバックアップしておくことはもちろん、UV-K5 を複数台持っている人はリグ間でデータをコピーしたり、 CSV ファイルに出力して作成したチャンネルリストを他の人と共有することもできる。
主な機能一覧:
- 400メモリー(200ch x 2周波数)を登録/編集
- 最大16個のカスタムバンド設定
- 最大8個のバンク設定
- FM/AM/SSB(USB)の受信モードに対応
- DCS、TSQL、TSQL-R のコード設定
- 追加された拡張周波数(15~1300MHz)、ステップ、帯域幅に対応
- スキャンおよびデュアル待受の復帰ディレイ時間設定に対応
- FMラジオ局のチャンネル設定
- 起動画面に表示するメッセージテキストを設定可能(半角英数10文字 × 2行)
- 項目を指定して並べ替え、グループ化などの編集機能
- CSV 入出力機能
動作環境
- Windows 10 Build 17763 (October 2018 Update)以降
※64bit版のみ対応 - uv-k5-firmware-rx-jp 最新版
必要なもの
- UV-K5 / UV-K5(8) / UV-K6 / UV-5R Plus 本体
- USBプログラミングケーブル (私は Amazon でこちらを購入)
ダウンロード:
更新履歴
2024年4月27日 v0.6.1
- スキャン復帰のディレイ時間設定に対応
- デュアル待受の復帰ディレイ時間設定に対応
- その他細かな不具合修正
※UV-K5を最新ファームウェア(240427)にアップデートしてご利用ください。
もっと見る
2024年3月26日 v0.5.4
- カスタムバンド設定をコピー&ペースト可能に
- イメージファイルのバージョンチェック機能を追加
- その他細かな不具合修正
2024年3月19日 v0.5.3
- バンク名編集機能を追加
2024年3月18日 v0.5.2
- 最大8個のバンク機能を追加
- その他不具合修正
2024年2月19日 v0.5.1
- 最大16個のカスタムバンド設定機能を追加
- 名前2、周波数2を検索対象に追加
- RX-JP-240218版の内部データ構造変更に対応
- その他細かな不具合修正
2024年2月2日 v0.5.0
- 400chの登録機能を追加(200ch x 2周波数)
- その他不具合修正
2024年1月9日 v0.4.1
- 拡張された帯域幅(W+, N-)に対応
- 基本設定に各種設定項目を追加
- F1/F2/Mボタンの設定変更を追加
- 0.5kHzステップ設定を追加
- 逆トーンスケルチ設定(TSQL-R)を追加
2023年12月12日
- ウィルスに誤判定されてしまう問題の対策(機能の追加変更はありません)
2023年12月9日
- 一部周波数が設定できない不具合の修正
2023年12月8日
- 新規公開
※本ソフトウェアの使用によって生じるあらゆる直接的・間接的損害に関して当方は一切の責任を負わないのでご了承ください。 GPLv3 のソースコードご依頼はこちら。
メモリーデータ
フリラjpさんが UV-K5-RX-JP 用のメモリーデータを公開してくれています。地域別、空港別などに分かれていて全16種類。著作権に関する注意事項をご確認のうえ、ぜひご活用ください。
使用方法
1. アプリを起動
スタートメニューから「CHIRP for UV-K5-RX-JP」を起動する。
2. UV-K5 をプログラミングケーブルで接続
UV-K5 の電源を入れてから PC とプログラミングケーブルで接続する。
※ファームウェア更新時とは違って PTT
ボタンを押しながらではないので注意。
3. UV-K5 本体からダウンロード
メニューの[無線機]-[無線機からダウンロード]をクリックすると次の画面が表示されるので、
ポート: (環境によって異なるが USB-SERIAL… を選択)
メーカー: Quansheng
モデル: UV-K5-RX-JP
を選択して[OK]ボタンをクリックするとダウンロードが始まる。もし、USB-SERIAL… が見つからない場合は、2からやり直す。
4. メモリ編集
ダウンロードが完了したら、メモリ編集画面になるので編集してデータを保存する。
Tips
- 新規で入力する際は、最初に周波数を入力する
- 範囲選択して右クリックメニューから[プロパティ]を開くと、その範囲の値を一括設定できる
- 範囲選択して選択した行の並び替えが可能
- DTCS極性の「NN」「RR」は、それぞれ Normal と Inverted のこと(他機種とのデータ互換性のためにそのままにしてあります)
5. 400メモリー(200ch x 2周波数)登録方法
400メモリー(200ch x 2周波数)を利用するには、周波数2、名前2を登録する。受信モードや帯域幅、スキャンリストなどの設定は周波数1と共通になるが、別のチャンネルのように移動やスキャンすることが可能。周波数2を登録した場合は、名前と名前2はそれぞれ半角8文字までとなるので注意。
6. カスタムバンド設定
本体の*
ボタンを押して表示されるバンド選択画面の一覧をカスタマイズするには、通常のメモリーNo.200の下にあるBAND1~16を編集する。周波数1と周波数2にバンドの上限下限周波数、名前2にバンド名(半角15文字まで)を設定する。
7. UV-K5 にアップロード
メニューの[無線機]-[無線機にアップロード]をクリックすると、ダウロード時のようなダイアログが表示されるので[OK]ボタンを押してアップロードする。だいたい10秒ほどで完了して本体が自動的に再起動するので、データが問題なく反映されているか確認する。
よくある質問
本家CHIRPと何が違うのですか?
「CHIRP for UV-K5-RX-JP」は uv-k5-firmware-rx-jp 専用です。ファームウェアごとにEEPROM内のデータ構造が異なり、別機種扱いとなるために専用ドライバーの開発が必要です。また純正ファームウェアから拡張された15〜1300MHzの周波数、受信モード、ステップ、帯域幅(W+, N-)、逆トーンスケルチ、F1/F2/Mボタンの設定項目追加、登録メモリー400ch化、8バンク化、カスタムバンド編集などの対応を独自に行っています。本家CHIRPの純正ファームウェア用ドライバーではバージョンチェックを行っていないため、実際には書き込み自体はできてしまうのですが、データが壊れてしまいます。 (現在はバージョンチェック機能が追加されました)
日本語化しただけはないのですか?
日本語化しただけだと思われている方もいるようですが、私が日本語に翻訳したものは本家 CHIRP にも既に取り込まれていて広く利用可能になっています。前述のように専用ドライバーが必要なことに加えて、CHIRPの表示項目や設定方法を整理して分かりやすくするなどの改良を行っているために別ソフトウェアとなっています。
ソフトウェアのアップデートは無料ですか?
はい。一度購入すれば、無料で新しいバージョンにアップデートすることができます。
(未来永劫のアップデートを保証するものではありません)
複数の PC にインストールして使用できますか?
はい。同一の Microsoft アカウントでログインすることで、複数の PC にインストールして使用することができます。利用可能な台数の上限については、 Microsoft ストアにお問い合わせください。
イメージファイル(.img)にはどのようなデータが含まれますか?
保存したイメージファイル(.img)には各種設定を含む全てのデータが含まれます。Webサイト等からダウンロードした .img ファイルを UV-K5 に書き込むと、チャンネルデータ以外の各種設定等も全て上書きされます。同様に古いバージョンのファームウェアで保存した .img ファイルはデータ形式が古い場合があり、動作が不安定になる可能性があります。動作がおかしいと思った場合は、次項の安全なインポート方法を試してみてください。
安全な .img ファイルのインポート方法を教えてください
Webサイト等でダウンロードした .img データはそのまま書き込まずに、最初に[無線機からダウンロード]を行ってそこにコピーしたデータを貼り付けてください。そのようにしてから書き込むことで、各種設定を維持したまま、チャンネルデータのみを反映させることができます。
.img のバックアップファイルはありますか?
[ヘルプ]-[イメージのバックアップを表示]をクリックすると、自動でバックアップされた .img ファイルの一覧が表示されます。もし不具合があった場合には、ここから復旧が可能です。